ゆき女

物語の端々から楽曲が聴こえて来るようでした。 最後の、麗子さんの月のソナタは特に……。 どんな思いで弾いていたのかと思うと、胸が締め付けられるようです。 それにしても、何という哀しいすれ違いなんでしょう…。 こんな結末が待っているとは、夢にも思いませんでした。   素晴らしい曲を遺した音楽家達は、私にとって額に飾ってある写真のイメージしかなくて、曲は弾いても、その曲がどのように生み出されたのかまでは、考えも及ばなかったのですが…。 この物語を通して、天才と云われた彼らも、人を愛したひとりの人間だったのだと、当たり前かも知れませんが強く感じました。 これからピアノ曲を聴く度に、このお話が私の中に鮮やかに甦る事と思います。 これぞ人間の物語。 忘れられない素晴らしい物語でした。 ありがとうございましたm(__)m
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早速のレビューをありがとうございます。嬉しいです。お題【音の無い世界】からベートーベンを連想し、《月光ソナタ・幻想曲風に》から純愛物語を構想しました。もっとシンプルに書けそうなものですが、キーワードの【鍵】を組み込まなければなりません。ミステリー仕立てにしたのは、この為です。ありがとうございました。

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