マルムス

老い
 人とは、有機物質が60兆の細胞を作り、その細胞があらゆる技術を駆使して創出する智慧の結晶だと考えています。  それ故に老いれば壊れて行く。  繊細が故、複雑が故、人格は脳が理を失う時に壊れる、それが認知症。  認知症になると、理性が隠していたその人の本性が剥き出しになる人が多く、お金に執着したり、性欲に執着したり、食べ物に執着したり、凡そ人格は老いれば醜く変化し、本能に呑まれてしまう。  そんな高齢者を僕も沢山見て来たし、筆者もそれは嫌と云う程に見て来ているのでしょう。  だからこそ、こんな風に老いを重ねられたらと云う素敵な物語を描けたのだと思います。  短期記憶を失い、それにより未来を失った彼女を過去の記憶の中で抱きしめ続け未来を歩く彼の姿は、理想の愛を見せてくれた、その様に感じました。  素敵な物語をありがとうございました。
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ごはん食べたのに「食べてない」とかね。物盗られ妄想に被害妄想、暴言暴力。「これ院外だったら障害事件だよね……」と遠い目をする同僚たち。 認知症で、いろんなことを忘れてしまっても、それでも忘れず持ち続けている記憶って、家族のことなんですわ。孫の顔がわからない、子どものことも忘れてしまった、でも配偶者のことは不思議と覚えてらっしゃる方は、本当に多い。 老いてなお支えあっていける。自分にとっても本当に理想です。 「未来を失った彼女を過去の記憶の中で抱きしめ続け未来を歩く彼の姿」、この言葉に心が動かされました。 ありがとうございました!
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