二瀬幸三郎

半妖という[証明]
二瀬幸三郎です。 拝読いたしました。 妖怪は人の[負の心]が生み出した[相容れないもの]と、鬼は云う…… では、[紙都という存在]は如何なるものなのか…… 思念から生まれた概念存在と、それを生み出した人…… 互いに恐れ、争う歴史を繰り返してきた存在にも拘わらず―― [鬼神紙都]という存在は此処にいる―― 鬼の父と人の母を持つ[半妖]としての宿命を受けた少年は、決して相容れないとされた筈の両者の[境]を越えた[証明そのもの]と云えるのではないでしょうか…… 強敵である元興寺をはじめとした鬼、妖怪が紙都に固執したのも、ある意味、その[あり得ない存在]を恐れ(或いは[憧れ?])た故とも思えます…… その元興寺との息詰まる戦い、その結末は悲劇的なものとなりましたが、繋がる人の縁――何より沙夜子が忘れない限り、より良い未来が訪れるやも知れない―― [負の概念]が妖となるならば、その逆もあり得るのだから―― そんな気がしてならないラストでした。 素晴らしい物語をありがとうございます♪
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レビューありがとうございます。 作品全体のテーマを汲んでくださって大変嬉しく思います。 ラストの展開は最後の最後まで悩みました。スカッとするハッピーエンドにすることもできるのではと。そうできなかったのはあまりにも負の連鎖が歴史が重く、未来への繋がりがまだまだ薄いものであるからかなと。紙都たちだけが頑張っても、きっとまだ足りないんだと思います。
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