文谷ふみ

仕事人間
出てくる登場人物たちを一言で表すとこうなってしまうから、不思議だ。 なぜなら、人間の方が少ないからである。 前回に引き続き、百鬼夜行(飲み会)のメンバーは相変わらずちゃんと妖怪だし、出てきてはオッサン好きの心をつかむ霊媒師、伴もいる。人間感薄いはずの登場人物たちに加え、訓練校にやってきたゆとり代表髙橋(ハシゴダカ)に、なにやら怪しいマナー講師や、もちろん敵となる者と、多種多様な種族が入り交じる。 しかし話を読んでいくうちに、彼らの「仕事」への真摯といってもいい姿勢をみていると、いやあ、人間より真面目だなあ、などと感心してしまう。 特に、数少ない人間代表の髙橋の成長に、胸が熱くなった。見守るように、感動した。 一見妖怪が人間の世界でお仕事をする、と聞くとファンタジー?コメディー?と思うだろうが、侮ることなかれ。 世知辛い世の中で、汗水垂らして働く真面目な者たちの話だと私は思う。 そして油断も大敵。 容赦なくシリアスから笑わせてくるので、やみつきになること間違いなし!
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