縞田径

「誰か」も帰る場所になる
りんさんの小説、落ち着いてゆっくり読みたかったのでやっと叶って嬉しいです。 自分の中で持て余してしまう感情や記憶にちくちくと胸を刺されているとき、ほんの少しでもこちら側にいてくれる誰かや急かさずにただ寄り添ってくれる誰かのいる尊さがしみました。ただ、隣にいる優しさって作為ではほとんどなし得ないもの。 大なり小なり「何かを乗り越える」のは怖くて苦しいけれど、進むと自分が遠ざけたものとまた近づけることがある。さりげなく肩を並べてくれるような優しさが気持ちいい小説でした。お菓子を分け合うシーンが大好きです。 ページを追うごとに感情が瑞々しく動いて、きっと彼女たちは少しずつでも確かに強く、優しい女性になっていくのだろうなと思うラストでした。作中に登場するさまざまな青色が切なかったり優しかったり、美しかったです。素敵な小説をありがとうございました。
2件・1件
縞田さん、お読みいただきありがとうございました。まるでエッセイのような味わいのある感想に心が温かくなりました。「ただ、隣にいる優しさって作為ではほとんどなし得ないもの」というフレーズ、本当にそうなんですよね。そういう自然な優しさを書けたらなと思って書いたので、そこを汲んでいただけてとても嬉しいです。ご感想をいただいて、これからも寄り添うような優しさのある小説を書いていきたいとあらためて思いました。
1件

/1ページ

1件