ありす

叙述トリックミステリーという罠
物語は終始淡々としている。 なのに、まるで根を張られているかのごとく、いつの間にかしっかりと、こちらの心に『事件』を落としていく。だから、次へと続く章に手が伸びてしまう── 何とも言えない、不思議な中毒性のある作品でした。 主人公の『死にたがり』という性質。それがこの作品の主軸を担っていて、最大の特徴であることは概要からも冒頭の説明からも明らかなのですが、どこか、何かが腑に落ちない。 きちんとそれに則した説明もあるけれど、その説明に『なるほどな』と納得しつつも、何とも言えない微妙なズレは拭えず。 しかし、ラストの大どんでん返しを迎えて初めて、それが読者を最初から最後まで一貫して欺く為のトリックだったのだ、と辿り着いた時にはもう!(>_<) 登場人物の心情や事件の描写がとても淡白なぶん、トリックやそこに使われている薬物の作用なども本当の事件簿を綴っているかのようで迫力がありました。 きっと作者さまはすごく勉強して書いたのだろうな……。 一章がとてもコンパクトにまとめられてはいるものの、きちんと地に足のついた本格派ミステリーであるからゆえに、冒頭で申し上げた『いつの間にかしっかりと心に根を張られているかのような感覚』を受けたのでしょう。 最後のマスターがとてもお気の毒で、そこだけが(´;ω;`)ウウッとなってしまいましたが それもまたミステリーな余韻を残すスパイスとなりました。 素敵な作品をありがとうございました!
1件・2件
ずっと読んで頂けてるなと思っていましたが、まさかレビューを頂けるとは思っていませんでした。 終始感じていただけたであろう違和感は、最後に回収されます。 それがまさに私の企み。 読者様に楽しんでいただけると考えた末の叙述トリックでした。 しっかり感じ取っていただけて感無量です。 ありがとうございました。
1件1件
なかなかまとまった時間を取れずに、読了までこんなにかかってしまいました(´д`)💦 あああ、見事に騙されてしまったーww こちらこそ、いつもありがとうございます。 また作品に伺いに参りますね(*´ω`*)
1件

/1ページ

1件