魚住 柚

滲む狂気に冷える足元
「こども」という存在からイメージされる状態からほど遠い様子の描写で、気味の悪さが演出されている印象です。 怖さ、気持ち悪さが存分に漂っているのに、ページをめくって次を読みたくなる力もあります。 そして、前住民の身に起きた断片的な情報が、現住民に重なって具体的な状況が分かってくる構成がうまいです。重なってきたときのぞわぞわ感がたまりませんね。 正常だったはずの人が変に明るく、結果おかしくなった様子が、終盤での気味の悪さをさらに盛り立ててくれたように感じます。 終盤で状況を整理してくれるため、登場人物の置かれている状況がよくわかり、というか分かってしまい、恐ろしい結末への心の準備を否応なくさせられました。 明日香さんと三和子さんの最後の会話にこもった狂気が、足元に漂ってきてうまい書き方をされるな…なんて、自分の感じた怖さをごまかすために偉そうな視点に立ってみたりなんだりしました。 事件の裏が明かされ、明かされたと思ったらより深くに大きな問題があることが示唆され、それが解決されないままに次の犠牲者がやってくる。ホラーとして良い意味での「読後感の悪さ」が良かったです。
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>魚住柚様 わーこの度は読んでいただきありがとうございました! レビューとても嬉しいです!! 気味が悪いとか気持ち悪いとか言われるとなぜか嬉しくなります。笑 そして、たくさん怖がってもらえてよかったです! 拙作は読後感が悪いですが(笑)、魚住さんのレビューは読んだらとてもハッピーになれました(*´ω`) この度は本当にありがとうございました!

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