水谷遥

青春SF!
 所謂「平行世界」。青春物に「SFギミック」を搭載した作品です。  青春物語に時折入る「SF」の感覚、青春とSFはとても相性が良く、停滞しそうなテンポをぐっと締めてくれる効果があります。  「謎」という意味でも、常に「月」がキーワードと設定されていて分かりやすく、本編とは全くかけ離れた世界での「革命軍」などの描写も、SFエッセンスとしては抜群に冴えていました。  SF、青春、どちらもしっかり描かれていて、一シーン毎の文量自体は多くないので、とても読みやすいです。青春小説としてもSFとしても成立しています。(むしろSF説明を成立させる為にシーンが増えていたかもしれません。「タイムリープと平行世界の違い」や「体転送と魂転送の違い」など)  そのどちらも面白かったです。SFが挿入されるタイミングも計算されていて、ページを捲る原動力になって素晴らしかったです。  そうした内容もさることながら、心意気が素晴らしいです。  これはどんな作品でもそうですが、「読み手」によって如何様な捉えられ方もしてしまうのが文学、のみならず「表現」というものです。「表現」は常に反感を生む要因になりますので、断固たる決意を持って書き上げるべきです。少々の事で意見を変えるくらいなら書くべきではなく、中島様作品ではしっかりとした「想い」が書かれていて、「作家の顔が見える」とはこの事であり、ここが素晴らしかったです。
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マジ万字のコメントですね。有難く頂戴します。 この物語、別サイトに応募して予選通過できました。予選は所詮、梗概と書き始め、基本的な約束が成立しているかどうかだと思うのですが、嬉しい限りです。 11月下旬には最終ノミネートが発表されるようで、それを期待して待っている最中です。 指摘された月渚の性格については一言加えておきました。まだ中学二年生という建前を基に、幼い頃の思考が彼女を突き動かしていると。 後半の同じ説明部分は敢えて直しませんでした。 今度は「恐怖」の書評、いいですね。 私も今「サスペンス」を考えながら書いている最中ですが、どうもフェイクとなる犯人の心理描写が想像できなくて手が止まっ
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おお! 予選通過おめでとうございます! 昨今は応募作品が多いので、予選通すのも大変みたいですから、勲章ですね。 受賞は、審査員(編集)次第なところもありますね。特にSF絡みの場合は……(今、売れないんですSF) 内容も面白いですし、好きな人は凄く好きな作風ですので、読み手に恵まれて欲しいです。 「フェイクの犯人」は難しいですね……。こちらに深みがあると真犯人の登場に驚きが無くなりますし、かと言って奇抜で狂っただけの犯人も味気が無いですし……。正直、真犯人よりもハードルが高いと思っています。  また良い作品がありましたらご参加下さい!
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