あかつき草子

自分が自分であること
人の生き死にはわからない。 病気になるのも、わからない。 自分が壊れ始めているのを認めるのは、 勇気がいることでしょう。 それも、老いてからならまだしも、 まだ、働き盛りの年代なら。 忘れていく。 記憶がこぼれ落ちて消え失せる。 耐えがたい恐怖だと思います。 それを記録という形式で、端的に淡々と 綴っていますね。 何を彼は待っているのだろうと思っていたら、 そういうことだったのですね。 これも、愛の形ですね。 でも、妻や娘に打ち明けなかったのは、 二人を想ってでしょうか。 負担に思われたくなくて、隠していたのでしょうか。 本音でわかりあえていたら、言えたのでは。 でも私がそうなったとしたら、どうでしょう。やはり言えないかもしれません。 現代は、こんな夫婦が多いかもしれませんね。 そんなことを考えました。 最後に奥さんの真樹の気持ちを知りたかったな。プロローグが真樹の描写だったので。エンディングにあってもいいかと。蛇足かしら。 生きるているとは、どういうことか、思いを馳せました。 老いて認知症になるのは、死への恐怖を減らす作用だと言う人もいます。 命の限りがいつなのか知らないのに。 明日死んでも悔いがないように、 毎日を懸命に生きなければいけないと言いますね。 懸命に。 命を懸けて。 考えるきっかけを頂いた作品でした。 ありがとうございます。
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あかつきさん。 読んで頂き、そしてこんなに素敵なレビューまで書いていただきありがとうございます。 実は結構前にこういった病気を主題にした作品を読んだ事がありまして、それがずっと心に残っていたので、自分でも書いてみました。 記憶がなくなるって、本当に怖いですよね。そして当人にはその想像以上の苦しみがあるのだと思います。 エピローグについては自分でも書こうと思っていて、仰る通り、そのためのプロローグだったのですが、書いている内に、この時の真樹の心境を上手く纏められる自信がなくなってしまい、一先ずこのまま完結とする事にしました。もう少し考えてみて、もしかしたら付け足す事になるかもしれません。
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エピローグについては、お考えがあってのことでしょうに、差し出がましくてすみません。 プロローグで、だいたいの気持ちは推測できますので。 もし、事情を飲み込んだ後、冷静になった真樹が夫の想いをどう感じたかなと思ったものですから。 付け足さなくても、十分だとは思います。 この夫はまさしく、「命を懸けた」のです。生きたということですね。 真樹さんはどうだったか知らないけれど、私の夫がこうなったら、やっぱり打ち明けて欲しいかなぁ。うーむ。
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