優れたSFはそのまま優れた詩でありうるのだなあ、と。
人類が光子生命体に自らを作り変えるほどのはるか未来。宇宙が収縮し赤く色づくほどのはるかな果て。この短編は、宇宙の広大さと命とその営みの儚さをこれでもかというぐらいに描き出します。主人公が観察者に徹して、望んでも当事者になれない、というのがまたなんとも物悲しい。そう、ここにあるのはブッダのような超越者の、大いなる悲しみ。ちょっと他に類例がないスケールの大きさだと思います。  SFを単なる背景として使うのではなく、イマジネーションの飛躍のジャンプ台として存分に使う、本物のセンス・オブ・ワンダーを感じさせる、実にSFらしいSFです。読んだのは随分以前ですが、未だに忘れられない名作です。
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tetsuyaさんへ 今日は。 以前に書いた作品へのレビューを有り難うございます。 きちんとSFになっているのだろうかと未だに不安があるので、SFらしいとの言葉はとても嬉しいです。 そして勿体ない言葉の数々を有り難うございます。 読んで頂いた方に、センス・オブ・ワンダーを感じて貰えているのならSFを好む身としても嬉しいです。
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