うましか

技巧に仮面をかけた面白さ!
モノクロの世界観に彩りを…というだけでなく時にはパンキッシュな描写も混じっている、技巧に溢れた物語、ひとまず途中まで楽しませて頂いたので感想を! まず、面白かった点を挙げると、 ●物語と割り切った物語 ●バランスの良すぎる構成 の2つです。 1人称でもない、かといって第3者視点とも言いきる事はできない。また別の次元から「これは物語である」と提示した上で進んで行くからこそ、「語り部」という存在が話を進めている状態。そこに話のメインにあるキャラ達の台詞があるという形で、「物語が進む様子」を描きながらも「語られる様子」を描いているように思いました。多角的なように見えて一本筋で綺麗に進んでいくのは、センスの賜物のように思います。この辺りに読者を惑わす面白さがあるのでしょうが、「読者を刺す」前準備なのでしょう。 続いて2つ目。配色の基本としてベースカラー、アソートカラー、アクセントカラー(詳しく知りたきゃ、色彩検定2級のテキストを開いておくれ)と言うのがありますが、この比率って7:2:1なんですよね。それが文章でも同じ事が言えるなんて驚き。ファンタジー世界をベースにストーリーが進んで行きながらも、時折入る人間味溢れた会話が箸休めになり、更に山場がしっかり書き込まれていますので、緩急ついた流れが楽しめる小説でありました。 オリジナリティー、と見せかけてオリエンタルを踏襲している。どこから読者の心を刺してくれるのか分からないワクワク感、大変勉強になりました。ありがとうございます!
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