鷹取 はるな

けして繋がりが断たれることがない「関係」
冒頭からいきなりアレなのですが、いとこ同士だと結婚が出来ますね。 血の繋がりがありながらも、結婚が出来る――。 あらすじに記されている通り、いとこ同士とはそんな「ちょっと微妙な関係」ではないかと。 本作品を拝読し、私も深くそう思いました。 2022年現在の日本の法律では同性同士の婚姻は認められていないので、そもそも本作品の登場人物である宙(ひろし)と真尋(まひろ)とでは「有り得ないこと」なのですが。 それをすっかり忘れさせてしまうくらい、とびきり明るい未来を示してくれる作品です。 本作品の主人公で語り手である宙はとても理性的です。 無邪気に迫ってくる五才年下の従兄弟の真尋をたしなめ、押し止める分別をちゃんと持ち合わせています。 さすが有名エリート大学に在籍しているだけのことはあります。 さらに自分自身を顧みて「せいぜい秀才」と、けして過大評価をすることなく自己分析してみせるくらい理知的でもあります。 正直に白状致しますと、その冷静さには少々イラッとしてしまいました。 ――しかし、そんな宙は本心では真尋に対してまるっきり冷静ではなかったのです。 読み進めていくにつれてそれが痛いほど分かり、宙へと謝りました。 宙、君の真尋に対する真剣な考えは、想いは確と受け止めました‼ この宙の真面目さ真摯さがあるからこそ、真尋との「ちょっと微妙な関係」が淫靡で陰惨なものへと変じたりしないのでしょう。 それはひとえに作者様が、宙と真尋とへの真面目に真摯に向き合っているからに他ならないとやはり深く思う次第です。
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いつもながら素敵な感想、ありがとうございます! 宙は世間一般的には「エリート」の端くれではあるんですが、特に天才的でも美形でもない小物(小心者)です……。 ただ『いい人』なんです、コイツは(『いい人なんだけど』で終わる典型ですが)。 二人に、そして私に対する温かいお言葉、本当に感謝です! どうもありがとうございましたm(__)m
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「いい人」であることは何にも代えがたいと思います。 ただ、それに気付くのは大抵後の方になってからなんですよね…… 宙さんに大切に想われて、真尋君は幸せものですね(羨ましい) こちらこそ素晴らしい作品を読まさせて頂き、どうもありがとうございました!
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