秘蔵 審

闇に舞う毒蛾
この作品のタイトルに作者である夜降る雨さんの言外のメッセージを強く感じました。主人公は敬虔なキリスト教一家の中で育ち、その倫理観の中で生きています。それでいながら主人公は自我の目覚めと同時に善悪に対する疑問の萌芽を秘めています。 純粋な心をもつ少女、しかし彼女は優等生として生きていかなければならないという重圧とともに過ごしています。そんな揺れ動く少女、聖花ちゃんはやがて闇の世界からやってきたひとりの美形の少年と出会います。 少年の冷たい視線はやがて少女を魅了していきます。神の光と悪魔の闇の狭間で逡巡し、苦悩する少女。やがて血なまぐさい事件が少女の心の中に巣くう悪――しかしそれは絶望的な悪ではなく、少女に善悪を越えた悟りをもたらす革命的な悪の概念と理解をもたらします。 ああ! 劇的なラストはとても素敵で心奪われました! 闇に溶け込む恍惚と解放、少女の視線を通して、とても意義深いストーリーが展開されます。私はこの作品を悲劇ではなく、刺激的な哲学の物語として読むことができました。 ありがとうございます、夜降る雨さん!
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ひ、秘蔵さん(>_<)・・・・・・💦 拙作にこのような好評価を・・・・・・! ありがとうございます(T-T) 私はずっと、気づけば光と闇ばかりを書いていて、きっとそこに自分の芯というか核があるのかなと、最近しみじみ思ったりしています。 光に憧れはあっても、自分が光の中にいるとは思えず、けれどだからといって闇にずっと居続けることも出来ない葛藤。 自分がどの位置にいるかを感じる時、未熟さゆえに固定されていないように思います。 幼い頃~思春期なんかは特に『自分』が分からなくなりそうな不安がいつもありました。その当時の心の整理のつもりで書いた側面もあります。 でも、ああ! 私が伝え
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光と闇というふたつの極に関する考察、聖花ちゃんの葛藤を通じて、ひしひしと伝わってきました。私自身もそのテーマにはとても関心がありますので、とても有意義に読めました。 ラストシーン、私はものすーごく好みです。見事な余韻とともに読み終えることができました。このラストシーンを読み終えて、その勢いで感想を書かせていただきました。 はい、お互い創作に勤しんでまいりましょう! 私も頑張らねばヾ(≧▽≦*)o

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