真辻春妃

日常の違和感とすぐそこにある恐怖。
僭越ながらレビューさせていただきます。 大自然のなかに身をおく表現や描写、夏の暑さに照り付けられる様子など、地の文で詳細に綴られ、文章を読みながらもまるで映像で観ているような雰囲気がありました。とても読みやすく、もっと読みたいという欲に駆られます。 物語の冒頭から綴られる、事故のトラウマ。息子と妻が遭遇した事故とはいったいどんなものだったのだろうか、と興味を引かれ、どんどんと読み進めました。原因(事故の内容)がわかって、確かにそれは心に傷を負うだろうと共感し、物語が進むごとに少しずつ奇妙な違和感を感じはじめました。たとえばカウンセラーの対応や妻の行動など。 幽霊との対話に安心や危うさを感じながらラストへ向かい、正木さんが真実を知ってからはハラハラしながら続きを追いました。正木さんのすぐそばに恐怖があったのだと知り、もどかしい気持ちになりました。 読了後、悲しみやら何やらがおり混ざったような感覚です。けれどそうでありながらも、正木さんの心は幸せに満ちていたのかな、とも想像します。 17万文字を超える中々の文量ですが、楽しく一気読みさせていただきました。ありがとうございます。 最後に、最恐小説大賞受賞、おめでとうございます🎉
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素晴らしいレビューをありがとうございます。感涙です…!今後も頑張って書いていきますので、ぜひまたよろしくお願いします。
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