せつなく温かな、大人の童話
 この一作が、 おそらく私とあらやさんの作品の出会いだと記憶しています。  SF的な設定というと、 なかなか入り辛い時もあるのですが、 機械も器機も知識に乏しい私が、 すんなり入っていくことができました。  主人公のケイは、世界の情勢によって、 ある意味、閉鎖的な環境で純粋培養されている。  家政夫のアンドロイド、加藤には、 秘密があった……。  他の方も感想に書かれておられたように、 ケイに加藤が記憶を埋め込む、 その思いにうたれます。  実の父母を知らなくたって、 加藤が何もかも、与えてくれた。  加藤はケイに何も求めなかったのに、 ケイは持てるすべてを出し切って加藤に恩を返し、 人生を捧げ、共に生きる道を能動的に選んだ。  加藤は無私の愛だった。 ただ、ただ、ケイの命を守った。 美しい魂を持った加藤の合わせ鏡のようにケイは育った。  二人が惹かれ合うのは当然の成り行きですね。 有り得ないはずの物語。 でも、だからこそ、美しい大人の童話。  加藤に命を与えられたケイと、 ケイが命を与えた加藤。  日常のひとつひとつを愛しみながら、 日々、生きていく二人。  二人でひとつ。  素敵な童話、胸をきゅんっと掴まれる、 せつなくも、温かなお話でした。  あらやさんワールド、大好きです。
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ボスコベルさま こんなにも二人に寄り添って頂き、 感謝と感動で胸いっぱいです。 ありがとうございます。 自分を思ってくれる相手がいれば、 例えそれが人ではなく、アンドロイドであっても、 人は自分を見失わす強くいられるんじゃなかろうか?と思い、後書きにも書きましたが、お掃除ロボットも持たない私が、無謀にもスタートした物語でした。 加藤を「美しい魂を持った」と言っていただいたこと、本当に本当に嬉しくてなりません。 こんな素敵な感想を頂けて、この物語を書き上げられて良かったと改めて思っています。 本当にありがとうございます。 そして、この場をお借りしてすみません。 日々のエッセイや、まるで目
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