yuーchi

香りが繋ぐ素敵なお話。
苦手な教科に苦手な先生。嫌だと思っていたのに気になる先生の煙草の香り。 忘れ物をきっかけに距離が縮まっていき先生から絵を通じて物の捉え方を教わります。美術が苦手なことも司くんが内心思っていることも見抜いちゃう先生、さすがです。なんだか掴みどころのない憂いげな雰囲気の先生にほのかな恋心を抱くようになりますが別れは突然やってきます。まだ若く学生である司くんにはついて行く事も出来ないし引き止める事も出来ない。ただただショックを受ける司くんの思いがとても切ない。別れと引き換えにもらった煙草。それがいつしか司くんの香りとなっていきます。 そして大人になった司くんは旅先で思いがけず先生と再会。再会を喜ぶ先生、変わらない笑顔ですが司くんは思いを伝えず…。 しかし物語はそこでは終わりません。忘れられない香りが司くんの背中を押してくれました。純愛を絵に描いたようなプロポーズシーン。素直にまっすぐに伝える司くんの言葉にキュンとしました。ふにゃっと笑う先生もとても可愛らしかった。 先生はきっと待っていたんだろうなあ。今の司くんも描かせて~って言っていたのはきっと今までも彼を描いていてずっと想っていたのかなあと感じました。 香りって忘れていた記憶が蘇ったり忘れられない気持ちにさせられる事もあるなあ。 読後感がとてもいいお話でした。
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yuーchiさん素敵なレビューをありがとうございます! 嬉しいです!(∩´∀`)∩ 「香りって忘れていた記憶が蘇ったり忘れられない気持ちにさせられる事もあるなあ」 そうですよね! いい匂いにしろ、悪臭にしろ、その時代の自分を思い出したり、郷愁に誘われたりしますよね。 とくにその香りが「恋した人」の香りなら、忘れられるはずがありません。苦さと甘味と辛さを伴った別れは、彼の胸に深く刻まれてしまいました。未練たらしい司くんです。 でも、そんな自分を無意識に受け入れてしまっているのが真面目な司くんらしいなと。 選んだ道も、生き方も、忘れられない人の跡を追っているのに堅実です。そんな司くんだから
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