伊東いろはす

シリーズの第3幕。最後まで読んで良かった!
 こちらの作品(AttoⅢ)は、ATPシリーズの第3幕であり、最終幕に当たります。Ⅰ~Ⅲ全編で110万文字にも及ぶ大長編。物語は各話しっかりと繋がっており、そのため一部分だけを抜き取ってという読み方ではなく、最初から通して読んでこそ楽しめる作品になっていると思います。したがって、読了までにはそれなりの時間を要することは避けられません。しかしながら、それだけ時間をかけても読んで良かったと心からいえる作品であることも間違いありません! ここは強調しておきたいです。  読み進めている最中のスリルや緊張感、登場人物と共鳴し揺れ動く感情は勿論のこと、読後に残る多幸感にも似た余韻。ウェブ小説でこれほど読み応えのある作品に出会える機会はそう多くはないと思えるほど、寸分の隙もない完成度です。  作者様がシリーズを通して掲げている《何の、そして誰のために生きるのか》というテーマ。第3幕でも色濃く反映されています。理屈だけで考えたら、状況だけを鑑みたら……「そんなつらい選択しないで……!」と、思わず止めに入りたくなる局面もありました。しかし、どの人物においても道理だけでは決着をつけられないものを抱え、選んだ道があります。それらは必ずしも共感できるものばかりとは限らず、なかには割り切れない後味を残す展開もありました。  しかしその一方で、いずれの結末についても「これがこの人物の生き方だったのだ!」と敬意を払いたいと思わせてくれるのも事実です。たとえ他人にとっては納得出来るものではなくとも、その人の切なる思い、尊重されるべき価値観や信念、内的世界が存在することを、作品を通して強く実感した次第です。  そのことを一貫して、なおかつ洗練されたストーリー展開や魅力的なキャラクターを以って読者を惹きつけたまま書き通した作者様の技量には、脱帽です。あまりに見事なので、語彙力も飛んで「すごい!」の一言に尽きます。  長々と、しかも要領を得ないクソデカ感情ばかりになってしまい失礼いたしました。レビューであれこれ論じるよりも第一は、より多くの方にATPシリーズを読んでいただきたいことを伝えたいのです! Ⅰ~Ⅲを通して10話、個々のエピソードや登場人物が、読む人を掴んで離さないエンターテインメント性溢れる作品です。  そんな素晴らしい作品に出会えたことを心より嬉しく思い、感謝申し上げたいと思います。
1件・1件
伊東いろはす様、この凄まじい長さの作品に最後までお付き合いくださり、またこのような素晴らしいレビューをお寄せくださり誠にありがとうございます。 嬉しい言葉が目白押し…! こんなにお褒めいただいていいのでしょうか?読んでよかったと心から言える、そのお言葉に涙腺がじくじくしてしまいました。これぞ作家冥利に尽きるということですね…光栄です。とても嬉しいです…!! 本シリーズは随分長いこと温めていたシリーズなので、「登場人物たちの物語を終わらせる」というつもりでラストまで書き上げました。中には命までも終わりを迎えたキャラクターもいますが、どんな形であれ結末を与えることが、作者として作品にできる恩返
1件

/1ページ

1件