女子読者の心情に寄り添ってくれるハッピー・エロコメ!
この話は、コメディと女性向けエロが高度に融合した稀有な作品でして、読後感もハッピーで、明るい気分になれます。 主人公の女子・ミラはサキュバスの末裔。サキュバスだから、肉体的魅力で男を軽々と籠絡するんでしょ? って、少しとっつきにくさを感じるかもしれない。 でも、違うんですよ。ミラは素朴で少女らしい潔癖さもあり、お仕事熱心な、普通の女の子なんですよ。ヒーローが惹かれるのも、おもに、ミラのその性格にこそ。だから読者もついて行きやすい。 冒頭、「黒い力」という、いかにもエロくてあやしいものに囚われたエリート神官様を、ミラはサキュバスの「えっちな秘術」で救うんですが、このシーンが、とにかくコミカル。 この時点のミラは、処女なんですよ。でも、お仕事熱心なので、懸命に神官様を救おうとするんですね。「えっちな秘術」で。ミラの真摯さと、お仕事内容の淫猥さの落差が凄まじい点と、ときどき挟まれる、男慣れしていないミラの、男性に対するクールな感想が秀逸で。笑いながら読み進めるごとに、ミラに対する好感度が増して行くんですね。ミラの心理描写が、すごく女性読者に寄り添ってるからだろうなと感じます。 この話には、過度に凶悪な人間や、残酷なシーンが出てきません。だから、ミラに夢中になりどこまでも追いかけて行く、この神官様(=グラタス)のヤバさや黒さが際立つんですよ。でも、グラタスは優秀で料理上手で、愛も深いスパダリなので、彼に任せておけばミラは幸せになれるなって、安心して見られるんですよね。多少執着心がヤバくても。 官能描写について。私TLは好きなのでいろいろ読むのですが、この作者さんの官能シーンは、五感に訴える力がすごく強いと感じます。 この作品には、後日譚を含め、複数回のベッドシーンがあるのですが、二人の関係の深まりにつれて、過激さや濃さが深まっていくのを巧みに書き分けてあるのはもちろんのこと、ミラとグラタスが耽っているところを、覗き見しているようなリアルさがあって、キュンが深いんですよ。 行為を始めて徐々に互いの熱が高まっていく感じや、吐息の湿り気や、肌合いまで感じられるような丁寧な描写で。でも生々しすぎなくて。個人的主観になりますが、私は、エブリの過激タグ付き小説に関して、この作者さんの作品群がイチオシにエロく、充実感があるとお勧めしたい。
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けー様 仕事熱心なヒロインをほめてくださってありがとうございます。 束縛気質ですが愛だけは深い夫に見守られ、これからも幸せに暮らしていくと思います。 また、作品の官能描写をおすすめしてくださり、最高の誉め言葉をいただけてうれしいです。これからも読者様に喜んでいただけるようにがんばります。
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