読めば景色が煌めいて見える、繊細で温かい青春物語
主人公の真白ちゃんは、絵を描くのが好きで、少し不思議な力を持つ女の子。 読者は、繊細な感性を持つ彼女の目を通して物語を追うことになります。 空も道も、彼女のフィルターを通せばキラキラ煌めき、儚く切なく彩られる。温かく優しい人々が、より一層魅力的に映る。 一瞬一瞬を大切にしたくなるような心掴まれる描写は、毎日を退屈に、灰色に感じている人にこそお勧めしたい尊さです。 情景描写もさることながら、ストーリーも登場人物達も負けじと心を揺さぶってきます。 大人になる直前の、どこまでも歩いていけそうな浮遊感と、自分だけで自分のことを決められない窮屈さ、卒業を視界に入れたまま深める絆、喜びも悲しみも真っ直ぐ受け止める純真さ。などなど、『青春』の感覚にこれでもかと浸けてくれます。 青さ煌めく瞬間は、物語に入り込んで皆とハイタッチしたくなる。切なさにギュッと胸が絞られる時は、それでもと人の気持ちの力強さを信じたくなる。 いい年した大人ですが、まるで学生時代にトリップしたように没入してしまいました。 そうしてスマホから顔を上げれば、戻ってきたのはお世辞にも輝いているとは言えない日常。のはずなのに、雲や緑陰が何だかいつもより鮮明に美しく見える。どうやら真白ちゃんの感性を少しだけお裾分けしてもらえたみたいです。 真白ちゃんと、彼女が心惹かれた葵くん。 二人の魅力にどっぷり浸って、世界の見え方を変えてみませんか?
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素敵な感想ありがとうございます。 いつまでも心の中に大事に大切にしまっておきます。
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読者としてこの上ない喜びです。 素敵なお話をありがとうございました!
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