吉祥あれ――怪異も人も境なく、強く賢くときに情け深く……胸熱くする伝奇小説。
インドと中国、宋。 開封を舞台にした、 怪異と人の楽しい(?)交わり。 書生・吉祥の現金っぷり、 夜叉女・シャクンタラーの豪傑っぷり、 木精・香雪の慈悲っぷり(?)に、 癒やされ励まされました。 皆それぞれに個性と強さがあり、 物語を貫く哲学を感じました。 「人は忘れっぽく、  その心は移ろいやすい」 シャクンタラーの言葉に、 神も怪異も、人が「見た」彼らは 皆このように嘆息するかと――、 嘆息させられました。 浮かんでは消えていく神や怪異たち。 人伝いに土地を移り、時に他と合体して、 名を変え、姿を変えていく彼ら。 ――人ならざるものたち。 人が産みだした彼らに、 人と同じ情があるのなら。 どうかこの物語のように、 人と境なく情を交わしていてほしい――。 そう願わずにはいられません。 歴史の知恵の詰まった 怪異と人の熱く愛しい物語を 強く緻密な文で著してくださり、 ありがとうございました。
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7℃さん、読んでくださりありがとうございます。 7℃さんの、たくさんコメにいつも励まされました! 宋は人気が高いので、資料がいっぱいある分、叩かれる可能性も高いので、それなりに気を付けたつもりなんですが、今見ると至らない点がたくさんあります。かといって大幅に直せるわけでもない……。 毘沙門天への信仰は、時代が下るにつれ、関羽の信仰に取って代わられていくらしいんですね。そのへんの人の気の変りやすさ、無常っぽさを出したかったのもあります。 あと、「屍鬼二十五話」はおもしろいよ! 王様が屍鬼を拾うという大ストーリーの中に、屍鬼がお話してくれる小ストーリーがいくつも詰まっていて、でも最後は大ス
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