二葉みどり

たくさんの愛を感じる物語
冒頭から現代ファンタジーと思わせる描写でハラハラさせられつつ、実はまだ異世界ではなく芸能事務所の話だったり、いつ異世界が出てくるのだろうと期待と不安に読者の心を揺らされる構成に、一気に引き込まれてしまいました。 序盤、作者様の芸能事務所の知識が豊富で、かなりの精度で現実味のあるアキとハルの経歴を知ることとなりました。 今読み終えてから振り返ると、この現実味のある経歴こそが、読者がふたりに夢中になり始めるきっかけであって、だからこそそこからハルとアキと心を共にして読み進められたのだと思います。 そして、それから展開し始める異世界の物語。 一度はハルとアキが引き裂かれそうになり、こちらも胸が引き裂かれるような思いで読み進めていました。一時はもうダメかと思い、これから悲劇の物語になってしまうのではないかと、ページを捲るのが怖いときもありました。 その一方で、そこまで至るふたりの心の動きがとても緻密に描かれていて、作者様の登場人物の作り込みの凄さを感じました。作り込みというより、もしかすると作者様のハルとアキへの愛なのかもしれませんね。 だからこそ、引き裂かれそうになる時は苦しかったですし、2人で困難を乗り越えた時にはふたりの喜びが自分のことのように伝わってきました。そんな悲劇を乗り越えたあとの安堵した空気のなかのふたりの甘々なシーンにこちらもとろけてしまいそうなりました。 そしてもう一つ、この作品を通して強く感じたのがハルとアキを支える周りの人たちの愛情。 普段から見えないところでたくさんの人たちがふたりを支えてくれている。事件の前、ふたりがそれをどれほど気づいていなかったのかは定かではありませんが、この事件を通してその愛情の強さが表に現れたように見えました。最後の舞台のシーンで、それが目の前に現れたように感じ、感動に心を揺さぶられました。 作者様の、そして作中の人たちのたくさんの愛を感じる物語でした。素敵な物語に出会えたこと、とても嬉しく思います。これからも応援しています!
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二葉みどり様。 この度は、拙作を読了の上、とてもご丁寧な感想を、ありがとうございました💖 昔、名作と呼ばれる某作品を読んだ時に、物語の立ち上がりの遅さに苛々した経験があります。 ましてや本作は素人の作品…。 「現代ファンタジーと銘打っておきながら、いつまで現実世界なんだろう? 登場人物の説明はもういいよ」と思われるかな… 読者さんは、飽きて離れてしまうだろうか…… そんな危惧がありました。 そして窮地に立たされている時、 絶望のどん底に落ちた時、 そこに挟む回想は、感情のスピード感を鈍らせるのではないか…とか……。 完結させて1年以上経ち、様々な読者様に読んで頂いている現在ですら、「あ
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