彩花まり

舞台が秀逸です。
靖はただの淡白な会社員かとおもいきや、あかされる秘密に驚き。舞台の描写が整っていて愛の無さの滲みでる不穏感が良かったです。田舎へ向かうバスの揺れ、寂れた一族の玄関にある切り株、妙に新しいバス停。読み進むうちに線香の香りが漂ってきました。SNSで知り合う偶然の危険みたいなものが逆に強固だった遺伝子に踊らされている運命を飾っています。クライマックスもこの小説にふさわしい重さで重なってきて。一本の映像作品を読んでいるような錯覚に陥り、読者である私も赤みを帯びた目や血走った白目に恐怖しました。
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彩花まりさん、素敵な感想をありがとうございます! ホラーは今まで読んできた数も書いた数も少なく、手探りで書いた作品です。 設定上、短い文字数の中で時代があちこち飛びますし、運命が明らかになるまでの場面はとにかく不穏でおどろおどろしい雰囲気で突っ切るしかなく、自分ではかなりこだわって書いたものの、これで読むに堪えるのか不安でした。 なので、描写のひとつひとつを拾っていただいて、あぁ伝わったんだなぁと、とても嬉しく感じています。 丁寧に読んでいただき、本当にありがとうございました(^^)/

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