陣リン

和歌を通じて歴史上の人物の思いが瑞々しく蘇ります
源実朝、後鳥羽上皇、藤原定家。 教科書で習った歴史上の人物が笑い、怒り、悩みながら、人生を駆け抜けていく物語に魅了されました。 登場人物に時に寄り添い、時に突き放すストーリー展開はもちろん、歴史のifを巧みに使って登場人物の出会いを演出されている様も見事としかいいようがありません。 (おそらく読書量がハンパない)Regenさんの圧倒的知識量、そして情感豊かな文体もあいまって、ストーリーに没入できました。 メインのお三方のなかでも、とりわけ引き込まれたのは実朝の人物造形です。 なんて瑞々しい青年なのでしょう。 拝読しているうちに、どうか幸せな日々を送ってほしいと願いながら読んでいる自分に気づきました。 800年前の人物がリアルに目の前にいるかのよう。 (ヤスくんとの関係は、わたくし大変ツボでございました) また、物語を彩る「和歌」も存在感を放っています。 実朝や後鳥羽、定家、それぞれ立場故に言葉にできない心情が、和歌を読み解くことで切々と胸に迫ってきました。 学校で習った気がするという程度の知識しかなかった和歌ですが、こうも感情を揺さぶられるとは。 僅か十七字の歌が現代まで残っているのは、読み手の、そして選者の感情が色鮮やかに閉じ込められているからなのだろうと感じました。 物哀しさと愛おしさを内包した、読み応えのあるお話です。 スター特典も知識の宝庫で堪能しました。丁寧な解説はもちろん、Regenさんのお茶目なお人柄も垣間見えて面白かったです。 聖地巡礼などしたことのない私ですが、物語の舞台のひとつ水無瀬を訪れたくなりました。 素晴らしい物語をありがとうございました!
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この度は、拙作を沢山褒めてくださって、ありがとうございました。面倒な内容を判読し、良きに解釈して書いてくださった文章が素晴らしくて、感想だけ読むと「もしや傑作なのでは!?」と勘違いしそうになります。ただもう感謝の言葉しかありません。 拙作も最初は、兄の親友に片思いしているサネが「定家師匠!後鳥羽上皇に猛烈アプローチされて困っているんですが、どうしたらいいんでしょうか?」というラブコメだったはずなのですが、どうしてこのような話になってしまったのでしょう…。 多分、定家が人好きのする性格だったら、ラブコメになった気がするのですが、調べていくうちに、定家は全然好々爺ではないな…とわかったせいかも
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