ともなり

超・妄想コンテスト『犬』裏会場👑金賞受賞作品
過酷な日常に精神をすり減らした男が上司に誘われて怪しい店に行くお話。初めて読む時には感じずとも読み終えてわかる冒頭の伏線や、数々の微妙な違和感、それがラストに押し寄せて来るのはかなり凝ったギミックだと思いました。 経理の悲鳴やエレベータで地下に降りる行為、死者の回廊の様な通路を抜けた先の灰色のドア、その先が何故か清潔な白い空間である事、狗なのに飼い主が居て食事が提供されたり可愛がられて喜びを感じる事など、主人公が認知出来なかった数々のずれを読者は後で思い知る事でしょう。また反対勢力のように動く政府の犬との力関係も皮肉めいていて趣深いと思いました。野生を求めると言いつつも事実は逃避を体よく言い換え覆い隠し、決して本質を語らない。社会の仕組みも人の性も含めて闇にメスを入れた作品だと思いました。
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金賞ありがとうございます。 今回の話は、我ながら力作だと思っていたので、受賞を逃してかなり凹んでいました。 インボイス制度を批判したのが悪かったのか、カルト教団だしたのがいけなかったのか、全裸がいけなかったのか、それとも挿絵が悪かったのか。 そんなことを、昨日からずっと考えていました。 金賞を頂いて、安堵したと同時に救われました。 重ね重ね、ありがとうございます。
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