IROAS

構成がわかりやすく、とても上手にまとめられていて、季節というテーマもしっかり入っているところやがすごいなと思いました。 視点を変えず、姉の独白的な内容になっているところも、あえて姉目線から見た妹を描いているからこそ、読者も姉の目線になって妹を見る事が出来ますし、感情移入がしやすく、読んだ後は何とも言えない気持ちになりました。 サークルでも少し書かせて頂いたのですが、それでも票を入れなかったのは、少しストーリー性を感じにくかったからです。どちらかというと、物語性のある詩を読んでいるような感じがしました。 例えば嗚呼~よ。~しておくれ。という箇所がありますが、それがあるからこそ作品全体がまとまっている反面、主人公がそんな口調で話す(思う?)のかな、という気がしました。 また、少し幻想的な雰囲気があり、姉の心の世界に浸っていたところを、急に癌と言う言葉で現実に引き戻された感がありました。もっと突っ込んでしまうと、いきなり”延命”治療と言われると、「今まで一切癌を治す為の治療をしてこなかったのか」とか「治すのが不可能なほど見つかったのが遅かったのだとしたら、1年生き延びたのはあり得ないくらい奇跡なんじゃないのか」 とか思ってしまいました。(癌のことは詳しくないですが、年齢が若いほど進行が速いと聞いています) 完全な主観ですが、そこは病名を伏せて欲しかったです。

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