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本当にやりやがった。
ニュータイプ?ねぇニュータイプなの?ニュータイプのバカなの?
「…………あぁ……なんかごめん」
「なっ……なんだそのリアクションはっ!」
「いや……すいません。本当にやるとは思ってなかったんでつい……」
それにしてもめっちゃかわいい!人型の宇宙人は何度か見たことあるけど、こんなかわいい人(?)初めて!!
腰まで伸びた紫色のサラサラな髪。どこか幼さの残る美しい顔立ち。芯の強そうな媚びない瞳。細く整った眉。スラッとした体型。その体型がわかるようなぴったりとしたスーツ。これはオーソドックスなタイプの宇宙航海用のスーツなのだと、前に人型の宇宙人から聞いたことがあった。
「あの、立ち話もなんなので、どうぞ中にあがってください」
「む、すまんな。」
そう言うと宇宙人さんは遠慮する様子もなく、ずかずかと窓からあがりこんできました。
二階なのによくもまあ……最近の若者は恐いっすね。重力って知ってます?それにあのふざけた竹は道の真ん中に置いとくつもりでしょうか。まあ夜中だから大丈夫そうですが。
とりあえずお茶いれました。
「大体なんだ?1人でぶつぶつ喋り倒して気持ち悪いやつだ……」
この宇宙人のやつは開口一番、物語の開始直後から俺が気にしていたことにいきなり触れた。
「あんたが早く降りてこないからでしょーが!場を繋いだんですよ!冒頭のくだりとかめっちゃ恥ずかしかったんすよ!?もうあれ無しだ!カットだカット!」
気にしてたことを突かれて、慌てる。こうしていると、俺にもまだ人間としての情が残っているのか、と感傷的な気分になる。
「よせ。無駄だ……。見苦しいだけだ。それと全身サイボーク化でもしたような発言はやめろ。厨二発言とでもいうのか、地球では」
声に出ていた、だと……!?
てか、哀れむような目で俺を見るな!
「くっそ……!大体あんた誰ですか!?初対面のくせに!」
「見ての通りの宇宙人だが?」
この美貌に加えてクールってお前……ドストライク!
「名前と出身の星は?コーヤコーヤ星のロップル君?」
「なぜドラえもんなのだ?」
「地球文化詳しいんすね」
「当たり前だのクラッカー」
「古っ」
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