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なんて優しいパット……。
傷ついた心にパットの優しさがジーンと染み渡った。
「サトマサ、ドウシタノ?」
「転んじゃって」
「エラク派手に転んだネ」
あたしはパットの胸に飛び込んで涙をこらえた。
☆☆☆
「サトマサはドジだナァ」
パットはあたしのおでこをピン、と指で弾いた。あたしはペロリと舌をだした。
「ドウシテキミノメガネは今時ガラスナンダイ?」
好奇心たっぷりな様子で聞いてくるパット。
「兄がね……二人ともガラスのメガネなんだ。それで、ガラスはいいぞ~って説き伏せられて」
「ヘェ」
「父もガラスのメガネだから代々受け継がれてるみたいなカンジ」
「サトマサはホントにブラコンだナァ」
そうかも。そう思うと涙がポロリとこぼれた。
最近うちの家族はバラバラだ。パパも毎日プリプリしてるし。
「サトマサ。ゲンキだして」
「うん。パットはいつも元気だね」
「ムカついたトキ、パンチング・マシーンをパチパチするとスッキリスル!」
パットは立ち上がってパンチするポーズを取った。ボタンが勢いよく弾け飛び、ズボンのお尻がビリビリと破れた。
あたしはププッと吹き出した。
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