パパプペポ

ロンドンブーツと肩パットはパパの外出の必需品。貫禄がないのがパパの悩みなんだ。

誰にでもコンプレックスはあるのだから気にすることないと思うんだけど。パパのプライドはそれを許さないみたい。

「あぁ、ゴルフコンペが始まってしまう」

いつもは気難しいパパがこんなになってるのを見ると、ほっとけないよね。それで肩パットを探すのを手伝ったんだ。

　　　　　　　　☆☆☆

今度はあたしがパニクる番だった。テンピュール枕バーゲン会場に駆け込んだら、もう何もなくて……思わず床にペタンと座り込んでしまった。

「パパのバカ……」

ポロポロと涙がこぼれる。メガネがくもって前が見えなくなる。

その時。サッとハンカチが差し出された。ハンカチにプリントされた２匹のペリカンをぼんやり見ていると声をかけられた。

「オジョウサン、カワイイカオガダイナシダヨ」

見ると金髪の外国人があたしをジッと見ている。

思わずポーッとなったけど、あわててプルプルと頭を振った。

彼の手には大きな紙袋。中にはラッピングされた四角いもの……。第六感にピーンときた。テンピュール枕……買えたんだ。

「プップー」

子供がカートを押しながらあたしたちに迫ってきていた。