未 満

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「…んっふっ‥」 艶っぽい瞼を伏せ、南が頬張るのは広泰のソレ。 卑猥な水音を立てて。 「…あ、…ん」 つい漏れた声に。 ぷるりとソレを出し、今度は見上げながら舌を這わす。 わざと、その赤い舌が見えるようにだ。 「…ちっ‥」 巧すぎるんだよ‥あんたのフェラ‥。 目を閉じてもその感触が際立ち、開けても南のその表情に追い立てられる。 奥歯を噛み締め、その頭に手を掛ける。 「…ふっ‥な、に?出さねぇの?」 濡れたままの唇も構わないで。 悔しそうに、広泰は片眉を上げた。 正直‥本当に悔しいような。 一瞬、無理やり犯した加持の顔が浮かんだ。 全然慣れてない、それを青木はどんな風に‥。 「……」 しばらく広泰を見上げていた南が再び口に含む。 広泰の心は幾分萎えたのが事実だが。 広泰自身は、やはり南の手管に正直に反応する。 巧いのだから仕方がない。 これは、結局、自分の為ではなく。 自分も尊敬してやまない先代の為に養われたもので。 「…くっ…あ、出る‥ッ」 果てた後。 これからの行為のために体勢を立て直そうとした広泰の頭を南が抑えた。 「……」 ジッと見下ろした後。 唇を拭いながらソファの背もたれに掛けた上着を手に取る。 「集中できねーなら、いい。」 平たい声だ。 さっきまでの熱っぽい感じは微塵もない。 ふと、今度は広泰の脳裏に先ほどまでの眉を寄せ、紅潮した顔で自分のソレを口で扱く南の顔が浮かんだ。 「…南さんっ」 ベトベトするのを適当にティッシュで拭い急いでズボンを上げる。 少し冷たく気持ち悪い感じもしたが、構わない。 ガシャンとぶつかった灰皿の落ちる音。 先方のドアが閉まる音と重なった。
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