627人が本棚に入れています
本棚に追加
/508ページ
あの日から、私の時が止まっている。冷たい雨が降っていた。これは、涙なんかじゃないんだ……。
退屈だったよ。何もかも……。でも、こんなの望んでない。私は、女らしさもないし、容姿も良い方ではない。
それなのに……
あの日、私は放課後に、クラスの男子生徒にまわされた。こんな私だから、予想もしていなかった。
何もかも嫌だ、嫌だ嫌だ嫌だ……。
こんな辛いなら、退屈だった毎日のほうがマシだ。
死ぬのも、なんだか面倒くさいし、学校も行く気にもならない。
本当に何をしているのだろう?
このまま……ずっと寝ていようかな。
「アイ~、今日も学校行かないの~?」
下の階から母親が、飽きる事なく同じ台詞を繰り返す。勿論、返事をしない私がここにいる。
母親も、事情を知っているからだろうか、これ以上は何も言ってはこなかった。
「なんか……疲れたな。何もしてないのになぁ~。」
独り言をポツリと呟く。生きている事を確認する唯一の手段。
「今日、何日だっけ?あれ……携帯の充電切れてるや。」
アイは携帯電話に充電器を取り付けた。開かれないまま、何日も 何日も放置された携帯電話。
電源を点けて、メールを問い合わせしてみる。特に期待している訳ではないが、希望に繋がればと……何となく思っただけだった。
最初のコメントを投稿しよう!