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クラウツヴェルグ家の長男であるフラウヨーゲンは、明日十四才の誕生日を向かえる。
クラウツヴェルグ家の男子にとって十四才と言うのは特別で、それまでの教育は計算や読み書きだけだが、これからは仕事についての事を学ぶことになるのだ。
「どんな奴なんだろうなぁ…俺の執事…」
フラウヨーゲンは、十四才を迎えて執事を従えると言うことは、自らが大人になった証であると理解していた。
「父さんの執事のレイオステさんみたいな人かなぁ…あ、でもじいちゃんの執事のセレナーデさんはすっげー美人だったんだよな…」
執事は性別に関係なく能力で選ばれる。
例えどんなに執事としての教育を受けていようが、完璧な仕事をできなければクラウツヴェルグ家で雇われることはないし、逆に全く執事としての教育を受けない者でも、仕事が完璧であれば雇われることがあるということもある。
「楽しみだなぁ…」
フラウヨーゲンは自分の執事がどんな人間か想像を巡らせ、にこにこして呟いた。
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