*…正式彼女…*

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 洋服をつかまれたシンは、ちょっとビックリしたが、亜紀がなんだか緊張しているようだったから『大丈夫』と頭を2回ポンポンと撫でた。  そして、着いたのは大きな扉の前。  執事がノックをすると。 「はいよぉ~」  中からは、桜井の声が聞こえた。  扉が開き、中に入ると、桜井が何やら資料を見ながら、 「いらっしゃぁい」  軽く言い。 「藤岡、もうさがっていいぞ」  と執事を退室させた。  亜紀は、昨日見た桜井と印象が違うのに驚いた、眼鏡をかけていて、スーツじゃないからだろうか。  この家には合わないスウェット姿だった。 「あぁ、適当にすわってよ」  テーブルの資料を片付けながら、皆にソファに座るように促した。  2人掛けのソファには、亜紀とシンが座り、亜紀の斜め前にある1人掛けのソファには真奈美、テーブルを挟んで向かいの2人掛けのソファには、桜井がデンと構えて座った。 「良くきてくれたねぇ~、昨日あのまま帰っちゃったからさぁ~、彼女ちゃんに会いたかったんだよね」  桜井は、とても笑顔で亜紀を見つめていた。  見つめられている亜紀は、恥ずかしいのか顔を紅くした。
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