12332人が本棚に入れています
本棚に追加
/87ページ
シラス「おいガク……何で俺がお前の攻撃に気付けるかわかるか?」
視界が煙で見えない中シラスはこの煙の何処かに紛れるガクに向かって叫んだ
シラス「確かにインビシブルは便利な力だ……自分の存在を表す事象は全て消える……影や臭い、足音に息づかい……だがな」
シラスは直ぐに反転した
そこには何も居ないが右から左へ煙の流れが僅かに残る
シラス「お前という痕跡は消せても“お前が作った痕跡”までは消せてないんだよ」
バシッ!
左側からの攻撃を左手で受け止め、掴む
そこにはナイフを掴まれ硬直するガク……シラスは左手に気を集め手に切り傷がつかない位の強度まで上げている為痛みはない
そして
シラス「もうちょいだったな」
ドスッ……
ガクが悔しそうな顔をして倒れ込む
鳩尾に入った右の拳には意識を絶つのに充分な力が込めていた
ふとシラスがキーリを見ると降参の合図なのか両手をあげている
それはこの組手の決着を表していた
シラス「まあ今回は三人共まずまずだな」
キーリ「何がまずまずですか……いつもそれしか言わない癖に」
不貞腐れるキーリを見て観戦していたミントはまあまあと倒れた二人の治療に入ったのだった……
最初のコメントを投稿しよう!