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「おはよーございまーす!」
PM4:30。
いつものようにバイト先に行き、従業員入り口から事務所に入った。そこぬけに明るく挨拶をする。
PM5:00からシフトイン。いつも30分くらい早めに行くのが日課だ。
「おはよー。」
事務所にはマネージャー(店長)がいて、 デスクでPCをいじっていた。こちらに顔も向けずに返事をする。飲食店とはいえ、色々PCで管理することがあるのだ。
「着替えまーす!」
「今、杉崎着替えてるぞ。」
「あ、そですか…。」
更衣室は狭いし、男女一緒だから1人ずつしか使えない。待つことにした。
松下日向〈まつしたひなた〉。ハタチ。大学2年生。になったばかり。田舎から上京して東京の大学に入学した。
1人暮らしを始めて2年目。
寂しかったりもするけど、気楽で楽しい。
「おっ、日向。おはよう。」
更衣室から杉崎琥太郎〈すぎさきこたろう〉が出てきた。日向を見て嬉しそうに笑った。日向はただそれだけで、胸がキュンとときめいた。
「おはよ。」
日向はそのまま更衣室に入る。ユニフォームに着替え始めた。
琥太郎は日向の2つ上の22歳。
だけど琥太郎は浪人しているため、学年は1コ上の大学3年生。
彼は愛知からの上京組で、日向と同じく1人暮らしをしている。
彼は日向の好きな人。
苦しいくらい彼に惹かれている。
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