日日草

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平安時代、朱天童子という鬼が居た。 短い赤髪、五つの角、十五の目を持ち、幾百の鬼を従える鬼の頭領だ。 朱天童子の右腕、茨木童子は大層美しい鬼でありながら、頭の朱天童子に勝るとも劣らない力量の持ち主だった。 あくる日、朱天童子の悪逆無道を聞き付けた源頼光と、渡辺綱率いる頼光四天王が討伐隊を結成する。 頼光が仕掛けた罠により、朱天童子は首を討ち取られ、茨木童子は綱によって片腕を切り落とされた。 後、命からがら生き延びた茨木童子は、綱の屋敷に忍び込み、斬られた腕を取り返すのに成功する。 その平安の世から、幾百年……。 世は、泰平の世、江戸時代に移り変わる。
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