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翌日、恵比寿でのイベントのため俺とメンバーは会場にいた。
昨日の話題に触れるでもなく、いつも通りの光景である。
そしてイベントも始まり、俺の担当グループの出番まで時間があったためフロアに出た。
「おぉ~客いっぱい入るようになったなぁ~」
そんなに大きな箱ではないが、300人程のキャパでオープンからフロアは満員に近かった。
自分の担当するアーティストに人気が出るということは非常に嬉しいもので、集客数はそのアーティストの人気のパロメーターみたいなものである。
俺はフロアをうろうろしながらもバーカウンターに向かった。
フロアの中ではドレッドの男がセクシーな姉ちゃんに声をかけていたり、あきらかに飲みすぎているような泥酔野郎が目をぎらつかせながらウロウロしてる。
こうやって冷静に見ると、クラブという場所は色んな人間がいて、純粋に音を楽しんでいる人もいれば、全く目的の違う人もいる。
そしてそんなことを考えている俺の腕を誰かがつかんだ。
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