約束の彼方に・・・

2/3
1人が本棚に入れています
本棚に追加
/3ページ
あれから一年彼女は戻ってきた。僕の病気を気づかってという嘘の理由で。僕はほんとのことを知ろうと思ったけど止めたね。だってあまりにも急なことなんだもの。ほんとだぜ。僕の家族から金をもらっていることは知っていた。でも嬉しい対面だったなぁ。僕はというと病院に入院させられたんだ親達に無理矢理にね。僕はいつも鉄格子の中から彼女を待ってるんだ。偽りの優しさを求めて。ほんとだぜ、彼女が去ってからどんな気持ちで僕が居たかなんて誰にもわからないはずだよ。一度は死のうとまで考えたんだ。彼女は僕の親からもらっている金で僕に優しく接してくれる。約束したのに彼女は裏切った。でも気づかないフリをするのも結構大変なんだぜ、だってどこまでその偽りの優しさに甘えていいかわからないから。僕は鉄格子の中から見る景色にうんざりしていたのさ、何も変わらない殺風景な景色なんだもの。「大丈夫?」って言う彼女の言葉に僕は困ってたんだ。ほんとなんだ。嬉しかったけど約束を交わした相手が偽りの優しさで接してくるんだもの。なんか同じことばかり言ってるけど、ほんとに複雑な気持ちだったんだよ。
/3ページ

最初のコメントを投稿しよう!