四←メイド服と変質者2←

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「違う。私には夜人しか、男友達がいないからっ……!」 言い訳してみても 頭の中を巡るのは夜人で あのフニャフニャしたような笑顔 それがあるだけで安心できる。 でも、それで現状が変わるわけもなく 依然としてついてくるパーカーの男 もうすぐ家だけど 家を知られたら、張り込みなんてされるんじゃないだろうか? そんな思いが、私の足を違う道に向けた なるべく大通りに出て、安全を確保したい もう一度、駅前に戻るように仕向け 私は行き先を変えた 「……あっ、この道」 ふと気がついたのは 普段使わない道の思い出 夜人が家に来るときに 少しでも長く一緒にいたくて選んだ回り道 なんとなく、記憶の中の夜人が 私を支えてくれる気がした そのまま歩きつづける事、十数分 支えてくれた夜人も、薄れるくらい足は疲れた 2年間履き古した革靴も こんなに長く歩くためのものじゃないらしく足が痛い
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