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翠嵐のキングとクールビューティー
敏腕弁護士である父と、料理評論家の母を両親に持つ、私立翠嵐学園高等部生徒会長である結城亮輔【ユウキリョウスケ】。
彼は別名『翠嵐のキング』と呼ばれ、学園内で知らない生徒はいない。
容姿端麗、成績優秀にスポーツ万能。
教員にも一目置かれている亮輔は、自分にとって使える人間には寛大なる態度で接し、使えない人間もしくは自分に敵対する人間には徹底的に排除するという性格の持ち主でもある。
学園内では帝王のように支配し、学園外ではどんなことがあろうと決して屈しないことで、両方の意味で『翠嵐のキング』として称されているのだが、唯一の欠点があった。
それは、亮輔の好みのタイプである。
中等部から彼のことを知っている人間によると、亮輔は『男』と『美しいもの』に目がなく、女に関しては全く興味がないのである。
自分の好みの男子生徒を発見すると、彼は自分のものにしようと徹底的に邪魔なものを排除するのだ。
猛アタックをしても結局は、好かれた相手が転校したり、亮輔以外の男性を選んでしまったりと、一度も恋愛関係に発展しない。
また、美しいものに関してもそれ以上に熱を上げてしまい、一時期は生徒会の仕事まで放棄してしまうという大問題まで生じたこともあった。
両方が重なった時は、更なる暴走が起きるのだがそこまでに至ったことはないのが不思議である。
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