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わたしは眠っている
眠っていることがわかる
もうどのくらい
ここで眠っているのだろう
まぶたが重い
まぶたが開かない
身体が重い
身体が動かない
足が冷えても
鼻が痒くても
わたしは動かない
わたしは動けない
目覚められない
王子がいないと
わたしはこのまま動けない
とても
静かで
耳を澄ますと
雪の崩れる音が聞こえる
長い間こうしていても
孤独に慣れることは出来ない
あたしは1人
孤独な世界
冷えた世界
寂しさに負けて
泣きそうになる
でも泣けない
泣くことすらできない
王子は来ない
まだ来てくれない
わたしは1人
雪の降る世界で
あたしは
動けず
泣けず
どうすることもできない
王子は来ない
眠ったまま
死ぬことすらできず
顔も名前も年齢も
何一つ知らない王子を
私は1人で
いつまでも待ってる
-end-
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