馬鹿兄貴と俺の朝

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俺は毎朝毎朝、二人分の食事を作らねばならない。 なぜならば、何もしない王様気分の双子の兄貴がいるから。 この王様は俺と同じ顔のくせに性格が真反対だ。 コイツはだらしないけど、俺は比較的真面目だと思う。 「おいこるぁそこの態度デカイ居候!」 王様は寝起きが悪い。 でも、ご飯が冷めると食べないので起こさねばならん。 ので、布団をひっぺがす。 「…~~~…あと5分」 布団をかけ直しやがった… 「メシ、冷めるだろうがよ!!冷めたら食わないだろアンタ!!!」 「…うるっせえな、今起きますハイハイ…」 そう言ってのそのそと布団から出てくる。 毎朝、おはようの代わりに怒鳴り声。正直、会社行く前だし疲れる。 今日もコイツを起こすのに手間取ったので、会社に行く時間になってしまった。 パンをくわえて、靴を急いで履いて、ネクタイ直して、カバン持って玄関の戸に手をかけながら言う。 「やっべ… 皿洗っとけよな!!絶対だかんな!!」 ヤツはあくびしながら答えた。 「ふぁいふぁ~い」 やる気ねえな… くそ、絶対帰ってきたら洗い物だらけだ… いつものことか…。 「うわあ電車逃す!」 俺は全速力で駅まで駆けていった。 .
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