◇箱庭の観察者

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「ねぇ先生?」 デスクに向かい仕事をしている先生の背中に、アタシは飛び付く。 「なんだ、葛城。」 振り返らないまま、先生が答えた。だからアタシも、いつもの調子で答える。 「今度のテストあんじゃん?アタシ、数学苦手だしー…だから点数が欲しいのー…ダメ?」 しかし、YESともNOとも言わない先生。だから私は、言葉を続けた。 「アタシを好きにしていいからさ。……ね?お願い…?」 ……すると先生は、 「仕方ないな」 と言って、いつものようにアタシを抱いたんだ。                
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