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先程から「梅~っ!」と言っているにもかかわらず、なぜか他の保護者の人達は不審に思ってないみたいだ。
それに梅の保護者の方も来ているだろう。なのにどうして注意をしないのだろうか。
「あぁ、あれね」
悠生は言った。
「心配することないわよ。彼の名前は尚君。梅ちゃんのお兄ちゃんだから」
「お兄ちゃん?」
「梅ちゃんの御両親は多忙でね。梅ちゃんの面倒は尚君が見ているの。ほとんど尚君が梅ちゃんの送り迎えをしているわ」
「そうなんですか」
「でも。重度のシスコンだったりするけど」
「はぁ、それはわかります」
梅が少し姿を消しただけで尚【なお】少年は涙をしている。
よほど梅が好きなのだろう。
それは見ていてわかる。と同時に不安なもなった。
あんなテンションが毎日のように続いているのであれば、梅は疲れないか? と。
「尚君は梅ちゃんラブだからねぇ。あの『姿』を見たら今以上に発狂するわね」
「気になっていたんですけど。今から何があるんです?」
秋生はお花見は企画したが、具体的なことを決めてなかった。
ただ桜を目で楽しみ、料理を食べ、保護者の人とお喋りする。
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