18189人が本棚に入れています
本棚に追加
/1007ページ
「何があるんですか?」
秋生は嫌な予感を覚えた。
春姫のステージ? はもりあがっている。
しかし、春姫のあとにある『何か』に、みんなはじまる前から異様な雰囲気を発していた。
――怖い? 何が?
何人かの保護者が持参したビテオカメラなどの手入れをしている。
写メでも撮るのか。携帯電話を手にしている人もいた。
そんな中で――。
「うお~っ! 梅~っ!」
更衣室? に向けて絶叫している少年が一人。
年齢は十六、七くらいか。逆立てた茶髪、糸のように細い瞳。
顔立ちはそれなりにいいと思うが、所詮「お友達」どまりといった雰囲気だ。
「梅~っ! はやく姿を見せてくれ~っ!」
高級そうなビテオカメラ片手に涙している少年――いや、変態か。
はっきり言って、誰かの保護者には見えない。
更衣室? の前を行ったり来たりしている変態を見て、秋生は携帯電話を取り出した。
「どうしたの?」
「あそこに変態――じゃくて、変な人がいます。あきらかに誰かの関係者とは思えないし、園児を狙う変質者! もしくはストーカーなんじゃ」
少年の表情が怪し過ぎる。
最初のコメントを投稿しよう!