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「そんな意味じゃないでしょ?!本来なら今日、沙千代はお見合いだったのよ!上条家と。あなたも知ってるでしょ?」
お茶を飲みながら、だらしなくソファに背を預け、足を組む晶の態度は、皐月の怒りを更に煽った。
「知ってるよ。その見合いの前に沙千代を海外へ行かせたかったから。可哀想だろ……好きでもない男の元へ家のために嫁がせるの。もちろん相手の男にも失礼だし」
そう言うと姿勢を正し、松田から追加の栗蒸し羊羹を貰うと美味しそうに頬張った。
「そんなことないわよ……今は嫌かも知れないけど、年月を重ねるとわかるものよ!この選択が正しかったとね」
「自分は恋愛第一で家を捨てて隆さんと結婚したのに?」
それには皐月も言葉に詰まり、隆は皐月にわからないように苦笑いした。
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