俺は女子

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    「じゃ、また学校でな」   「おぅ、じゃあな」     十字路で手を振り、友達と別れる。  今日も楽しかったな、とか思いつつ、少年は自転車を飛ばしていく。       背はあまり高くないが、整った顔立ちを持つ少年。  さらにその何とも珍しい赤髪が風に揺れて沈みゆく太陽の光を反射し、際立って光っていた。           俺の名前は逢沢 秋葉(出席番号常に一番)。  高校一年……だけどこの春休みでそれも終わり。俺は何とか二年に進級できたので春からは二年、という訳だ。     まぁ春休みの宿題なんて何一つやっていない訳で、いつも通り龍之介に見せてもらうんだろうな――そう思いつつ、鼻歌交じりに自転車を飛ばして家路に着くのだった。       ――    
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