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拓也が学校の先生になることを、決めたのはあるきっかけだ。
「将来か」
真面目な顔で椅子にもたれながら、一枚の紙を見ている拓也。
「兄貴が真剣な顔してる」
「めずらしな明日雨だな」
といじわるをしていると担任の先生が、俺達二人の頭を叩いてきた。
「おまえらも少しは考えろ将来のことくらい」
苦笑いをしながら教室をでていく先生を、見つめながら急に立ち上がる一人の男。
「将来何て分からん」
下手な関西弁を、いいながらウロウロしていた。
「拓也が学校の先生になったら大変だな」
「そうそう!」
机をバンと叩きガヤガヤしていた教室が、静まり返った。
「俺………学校の先生になる」
「…………」
聞こえなかったことにしていたが、もう一度言ってきた。
「拓也が学校の先生」
「兄貴がなれたらすごいよな」
冷やかしながらいたが毎日のように勉強をして、遊ぶのも辞め先生になることを夢見ていた。
あれから五年
拓也は、本当に学校の先生になっていた。
これから始まる、新しい物語の波乱の幕開けである。
この続きは、『天使になった少女』でお会いしよう。
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