プロローグ

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僕の名前は久遠。で、僕の飼い主の離運ちゃん。 この物語は僕と離運ちゃんのお話し…。 僕が初めて離運ちゃんに出会ったときは、僕は不安だった。でもすぐに安心できたんだ。離運ちゃんは、笑顔で優しく僕を包んでくれたから。僕はこの子となら安心できると心から思った。でも…まだ僕は知らなかった。心が闇に染まっている事を…。だってあんなに優しく笑っていたから。 僕が離運ちゃんのお家に来てから二周がたった。 いつもと変わらない離運ちゃんたち。でも僕は変な気持だった。なんか嫌な感じだったんだ。 それは、現実のものとなった…。 一本の電話がなった。僕はいつものようにソファーで寝ていた。突然ママの声が聞こえた。僕は何事⁉と思いママに鳴いた。ママは慌ててパパに電話をしていた。僕はジッとママを見ていた。でも僕は狂ったように玄関に向かって吠えた。そう、ママは確かに言った。「離運が学校に行ってない」と。 ママは僕の声に驚き直ぐに駆けつけてきた。 ママは優しく言った。「久遠も心配なんだね。うん、一緒に探しに行こう」って。 そして、僕とママは離運ちゃんを必死にさがしたんだ。離運ちゃんが見つかったのは一時間後の事だった。僕はこのとき離運ちゃんがもっと好きになった瞬間だった。この出来事は今でも覚えているんだ。 離運ちゃんは永遠橋の川沿いにいた。僕達は離運ちゃん姿を見つけ駆けつけた。 離運ちゃんを見たときは驚いた。離運ちゃんは全身びしょ濡れだった。僕は吠えた。それに気ずき、こっちを見た。離運ちゃんの手にはまだちっちゃな犬がタオルにくるまっていた。 離運ちゃんは学校に行く途中で段ボールを抱えた人間がいて、ちらっと見たら段ボールの隙間から何か生き物らしきものが見えて怪しく思って後をつけて行ったら、人間がその段ボールを川し流したんだって。人間は直ぐに居なくなっちゃって、離運ちゃんはその段ボールに近づこうとしたら鳴き声が聞こえて、直ぐに川に入って助けたんだって。子犬は無事で離運ちゃんはとっても安心したんだけど制服が濡れちゃんって学校に行けなかったから、少し落ち着いてから家に帰ろうと思ったんだって。 だから僕はそれを聞いてこんな優しい離運ちゃんに会えて良かったって、もっと好きになったんだ。 でもこの出来事が離運ちゃんの心の闇を深くしてしまったなんて誰も思わなかった…。 あの出来事以来離運ちゃんは少しずつ変わった…。
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