第十九章 救世主

11/20
5498人が本棚に入れています
本棚に追加
/660ページ
「ちょっ、痛い! 何よ、鮫島?」 「止めろ。 待て、シャッターを開けるのはまだだ。 簡単に人を信じるんじゃねえ。 俺がここまで逃げてくるまでの間、警察官は見たが、自衛隊の人間は一人も見なかった。 おかしいと思わねえか? もしあいつが自衛隊の人間じゃなかったらどうするんだ? 俺達は全員殺される。 だから俺が話を聞くまでシャッターは開けるな。 わかったな?」 「わかったわ」 鮫島が外の男に向かって、大声で喋り始めた。 「生存者だ! 正直言って、あんたが自衛隊員ってことに疑問を感じてる! 街で俺は自衛隊の隊員を一人も見なかった! それなのに、なぜあんたはこんな山奥にいるんだ? 理由を聞きたい!」 「私は、一般の自衛隊員ではありません! 防衛大臣直属、陸上自衛隊特殊部隊、第一空挺師団の城戸(きど)と言います!」 「どこから来た!? なぜ一人なんだ、仲間はどうした!?」
/660ページ

最初のコメントを投稿しよう!