序章~花は枯れ風は吹く~

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妃慈璃は美しい人だった。 迅徠がまだ子供と大人の間ぐらいの時に風の当主を務めていた。 当主に女性がなるのは珍しいことだが、妃慈璃にはなるだけの力も人徳もあった。 何年か経って吉兆は妃慈璃の妹であるすみれに恋をした。 今まで高嶺の花だった妃慈璃とも親しくなった。 妃慈璃は自分が不治の病に侵されていることを知っていた。 妃慈璃はまだ若い吉兆を時期当主に推薦した。 剣の腕は確かなものがあり、人々からも信頼があった吉兆は他の当主達からも認められ迅徠の名を受け継いだ。 その何日か後、妃慈璃は死んだ。 彼女の最期の言葉はこうだった。
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